毎度、ちくわです。
急に暑くなってきました。
いいですね、僕は寒いくらいなら汗かいていたいタイプなので暑くなるのは歓迎です。
今日もつめた~い缶コーヒーを購入し、湯煎して汗をかきながら飲みましたよ。
ああ、早く夏が来ないかな。
その前の梅雨が憂鬱ですけれどね。
読んだ本の感想書きます。
『コンビニ人間』 著 村田沙耶加
この本の感想を書くにあたり、色々思うところがありました。
正直に書くと自分の薄っぺらさと向き合わなければならないような気がして、どうにも気が重たかったです。
でもね、そんなの今さらですよ。
自分のような浅はかな人間が見栄を張ったところで建設的とは思えません。
こういうときはおっぴろげた方がいっそ清々しいはず。
自分の言葉で、自分の感想を綴っていきましょう。
まず、僕は読書するにあたり、エンターテインメント性を求めています。
山あり谷ありのストーリーで、胸のわくわくするようなイベントが控えていて、涙で視界が滲むような結末を期待しているのです。
読書するときいつもこんな高望みしているわけではありませんが、無意識に望んでいることを白状しておきましょう。
そこでこのコンビニ人間。
エンターテインメント性をあまり感じませんでした。
読んでいて胸の躍る瞬間はなかったです。
でもね、胸に突き刺さるものはあったんですよ。
たま~に思い出してその場でうずくまり、「ぎゃっ」とうめき声をあげたくなるようなやるせないものが。
この小説は主人公視点のお話です。
初めから終わりまで、ずっと主人公の目で世界を覗いた構成となっております。
主人公はコンビニで働くことを生きがいとしている女性で、レジ打ち、接客、品出し、すべてが完璧。
コンビニ店員に相応しい外見を保つよう頭の先からつま先まで気を配り、休日だろうと関係なく四六時中コンビニのことを考えています。
知人と会うときはコンビニで身につけた営業スマイルで話を合わし、コンビニを主軸に置いて人間関係の構築を考える。
人生のすべてをコンビニに捧げており、コンビニのために生まれてきた人間。
それが主人公です。
要はこの主人公、コンビニの天才なんですよね。
上記の説明、いかがでしょうか。
なにか歪なものを感じませんか。
僕の文章力はさておき、得体のしれない気持ち悪さがありませんか。
この本を読んでいると、終始その気持ち悪さを感じることができます。
しかしこの気持ち悪さこそ本書に必要不可欠なものであり、主人公と周囲にいる人間の溝や戸惑いを表現するのに大切な要素なのです。
さて。
読んでいてもやっとした気分にしてくれる本書ですが、僕が特にもやっとしたのは中盤に出てきた白羽さんという人間に対してです。
この白羽さん、とにかくサイテー。
自己中で、口やかましくて、金にだらしない。
本書の中で本当にひとつも良いところが出てこないのです。
しかもこの白羽さん、世間が自身に対して「普通」を強要してくることに憤りを感じるくせに、自分の保身のためだったらあっさり主人公に「普通」を強要しちゃうのです。
いやもう本当に見事なまでのダメっぷりでした。
でもね、僕が最も感情移入してしまったのがこの白羽さんなんですよ。
なんて言いますか、読んでいて経歴が他人事とは思えなかったのです。
読んでいて「うわー分かるー」と共感してしまう箇所が多数。
たま~に思い出して「ぎゃっ」とうめき声をあげたくなるくらいには自分と重ねてしまいました。
それは作者の意図していたことではないでしょうけれど、白羽さんというキャラクターが僕の胸に突き刺さったわけです。
いやあもうほんと鏡を見ているようで気分が悪くなりました。
僕はしばらくコンビニ人間を読むことはないでしょう。
白羽さんの言動を見ていると、とてもやるせなくなるからです。
もう少し人間的に成長して、自分に対して自信が持てるようになったら本書を再読してみたいと思います。
そのときは、白羽さんというキャラクターや主人公の考え方について、今回とは違う感想を抱けるようになっているかもしれません。
でもそれって、社会的にどんな立場の人間なんだろう?