当ブログ、今までプロレスのお話しかしておりませんでした。
しかし、たまには小説のお話でもしましょう。
そこそこ本を読んでいるんですよ、僕。
『AX』 著者 伊坂幸太郎
人気作家、伊坂幸太郎の殺し屋シリーズ第三弾。
一作目が『グラスホッパー』でバッタ、二作目が『マリアビートル』でテントウムシ。
そして三作目が『AX』、タイトルに虫が関係なくなっているのかと思いきや、ブログタイトルで少し触れている通り、蟷螂の斧、つまりカマキリが関わっているというわけですね。
殺し屋『兜』は業界で屈指の腕利き。
仲介業者から依頼を受け殺人を犯す一方、妻や子供が家におり、文房具メーカーの営業職という社会的なパーソナルを持っている。
死ぬことよりも妻の怒りが怖い恐妻家で、息子に呆れられつつ愛情と畏怖の対象である妻のご機嫌を伺い続ける毎日。
幸せな家庭を手に入れたことで殺人稼業に嫌気がさし、足を洗いたいと考えるが依頼を断り切れず、殺人と日常生活を両立させるために悪戦苦闘する、というストーリー。
この作品の見どころは、淡々と人を殺すくせに夜中物を食べる音で妻が起きてしまうのではないかと本気で怯えている兜のギャップでしょう。
この兜の思考がとてもユニークなのです。
常人には理解し難過ぎて、いわゆる「天然」として目に映ります。
殺人と比べれば寝ている妻を起こしてしまうことなんてどうでもいいでしょ! お前、奥さんどんだけ怖いんだよ! とツッコミたくなるのです。
しかし僕がここで色々言ったところで意味はありません。
きっと兜には、「君は全く分かっちゃいないな」と一笑に伏されるたけでしょう。
それくらい、希代の殺し屋にとって妻は絶対的な存在なのです。
終盤で兜と妻の馴れ初めについて簡単に触れられており、そこを読むことでまあなんとかギリギリ、兜の態度にも共感できるようになります。
いや、やっぱムリだ。
あとこの作品、殺し屋シリーズの三作品目となっておりますが、世界観こそ共有しているもののストーリーが別物なので単体でも楽しめます。
共通の登場人物がいるので以前の作品を読んでいる方がより楽しめるてしょうけれど、読んでいなくても無問題です。
なんか、こういう作品を超えた演出はとても伊坂っぽいなあと思います。
内容が内容だけにリアルの生活で活かせる教訓めいたものは少ないのてすが、僕がこの作品から学んだことは、『最悪、殺し屋になってもいいけれど、結婚して妻を持つのは嫌だな』ということですかね。